京都大学 エネルギー理工学研究所
附属エネルギー複合機構研究センター

基幹設備・機器紹介

ここではセンターが有する幾つかの主な大型研究設備を紹介します。これらは、センターが核となって推進しているプロジェクト研究に役立てるためのもので、それら設備・機器の充実もセンターの重要な役割です。

高度エネルギー機能変換実験装置/プラズマ実験装置 Heliotron J

磁場閉じ込め核融合の実現とその高性能化を目指し、京都大学で創案さ れた先進的磁場配位、ヘリカル軸ヘリオトロンの最適化を目標に、 2000年より本格的なプラズマ実験を開始し、その後も引き続き、加熱 機器や計測機器の整備・高機能化を図り、研究所内はもとより、国内外 の関連研究者との共同研究に供しています。

高度エネルギー機能変換実験装置/材料実験装置 DuET

加速したイオンビームを多様な環境下で材料に照射する装置です。2基 の加速器から異なるイオンを同時に照射し、材料への欠陥導入や組織・ 化学組成の調整、およびインビーム分光分析が可能です。

マルチスケール材料評価基盤設備 MUSTER

先進エネルギー材料を対象に、サブナノスケールから実用寸法のレベルまで連続的にマルチスケールで化学組成、構造組成、強度特性、環境特性等の評価を行うことが可能な研究施設で、TEM,FE-TEM, FE-SEM,FE-AES,FE-EPMA や高温X線回折装置、疲労試験機、高温引張試験機、ナノインデンター等の先端装置が設置されています。

自由電子レーザー施設 KU-FEL

高速で運動する電子ビームと放射光との相互作用を利用した中赤外領域(3.4~26µm)の波長可変レーザーで、分子振動の波長選択性などを利用した最先端のエネルギー材料研究を、共同研究等を通じて行っていま
す。

NMR装置群 NMR

液体クロマトグラフィー・質量分析計と連結し超高感度検出器を装着した世界最高性能の800MHz 装置及び2台の600MHz 装置を含む計4台からなる装置群です。バイオマスおよびバイオ分子を活用したエネルギーと有用物質の取得法の開発を目指し、研究所内外に開放されています。

エネルギーナノサイエンス研究装置群

ナノからマクロまでの様々な構造を有するエネルギー機能性材料・バイオナノマテリアルの構造と機能を解析する装置群で、走査プローブ顕微鏡、原子間力顕微鏡、蛍光顕微鏡、円二色性スペクトル測定装置、紫 外可視分光光度計、蛍光分光光度計、MALDI-TOF 質量分析装置、ESI 質量分析装置、等温滴定型カロリメータ、示差走査型カロリメータ、フーリエ変換赤外分光光度計などから構成されています。

触媒材料創製・機能解析システム

生体分子、有機分子、無機分子を用いたエネルギー材料の精製、組成・構造解析、機能評価を行うための装置群です。主な装置として300MHzNMR、タンパク質精製装置、遺伝子配列解析装置、時間分解蛍光分光光度計などが稼働しています。

核融合炉内機器実験装置

核融合炉内機器として液体金属概念の応用による革新的な高熱負荷ダイバータと増殖ブランケットの性能評価を目的に、30kV-6A(水素)のイオンビームの調整と中性子源の開発を行っています。

先進エネルギー変換試験装置

小型中性子源と950℃の LiPb 液体金属ループを用いて先進熱媒体・材料を用い、高熱粒子負荷条件でのエネルギー物質相互作用の研究と、核融合炉ブランケットやダイバータ、熱交換器など極限条件のエネルギー変換装置の開発を行います。