グラフェンナノ構造(酸化グラフェン、グラフェン量子ドット)の光学特性とその応用

次世代電子・光デバイス材料のグラフェン

   2010年度ノーベル物理学賞は、グラファイト一層からなるナノ物質「グラフェン」の作製に成功したグループに与えられた。 グラフェンはその優れた電気伝導特性から高性能な電界効果型トランジスタなどへの次世代電子・エネルギー応用デバイスが期待されている。

  その一方で、グラフェン自身はバンドギャップをもたず、その光学応用が限定されている。近年、グラフェンをベースにした、酸化グラフェンやグラフェン量子ドットなどのグラフェンナノ構造では、近赤外から可視・紫外光領域において発光(蛍光)を示すが報告されている。我々は、この特徴的なグラフェンナノ構造をターゲットに、発光(蛍光)分光、時間分解分光などの多角的な手法を用い、その発光(蛍光)の起源や電子状態を明らかにすることを目的として研究を進めている。

   左図は酸化グラフェンの模式図で、我々は、酸化グラフェンが青色・紫外領域で発光を示すこと、その発光メカニズムを明らかにした[1,2]。今後、このようなグラフェンナノ構造(酸化グラフェン、グラフェン量子ドット)などの光学特性の理解を進め、光電変換デバイスなどへの応用も視野に入れ研究を進めてゆくことを考えている。

紫外発光酸化グラフェン(左)と酸化グラフェン溶液写真とその発光マップ(右)

[1] D. Kozawa, K. Matsuda et al., J. Phys. Chem. Lett. 4, (2013) 2035.
[2] D. Kozawa, K. Matsuda et al., J. Phys. Chem. Lett. 5, (2014) 1754.