【開催報告】第10回エネルギー理工学研究所国際シンポジウム

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第10 回エネルギー理工学研究所国際シンポジウム(The 10th International Symposium of Advanced Energy Science)を、2019 年9 月4 日(水)から6 日(金)の三日間にわたり、京都大学宇治キャンパス 宇治おうばくプラザにて共同利用・共同研究拠点との共催で開催しました。今回のシンポジウムでは副題「Beyond the Decade of Zero Emission Energy」のもと、10 年間のゼロエミッションエネルギー研究を基盤とし、さらなる発展を目的として行われました。今回は61 名の外国人を含め、合計383 名の参加者があり、非常に活発な論議が行われました。
初日の最初は、基調講演(プレナリー講演)に、東京理科大学光触媒国際研究センター長、藤嶋 昭栄誉教授をお迎えしました。藤嶋先生は酸化チタンを用いた光触媒現象を発見されるなど、光触媒研究の第一人者であり、その研究はノーベル化学賞の有力候補として注目されています。2017 年には文化勲章を受賞されています。また、2019 年1 月には本研究所の外部評価委員会の委員長をお務めいただきました。今回は、「Active Approach Forward for Comfortable World」のタイトルで、快適社会に向けての積極的研究についての話題を、興味深くご講演いただきました。エネルギー問題、環境浄化、環境問題対策だけでなく、経済界・産業界との連携も進めておられることを大変わかりやすくご講演いただき、基調講演として大変ふさわしい内容でした。
初日から二日目に行われたシンポジウムの全体会議(口頭発表)では、海外から6 名、国内から11名の講演者を招聘し、「プラズマ」、「レーザー」、「太陽光」、「バイオマス」、「原子力」の5テーマを主題とし、トップレベルの研究者による先進エネルギー研究開発の最新成果や各国のエネルギー戦略についてなど、分野を跨いだ様々な研究成果をご講演いただきました。
また、初日後半に実施した海外招待講演者によるパネルディスカッションでは、「Sustainable Development Goals (SDGs)」について、ゼロエミッションエネルギーとの関わりやその実現に向けた課題について、大変有意義な議論が行われました。
二日目の午前には、ゼロエミッションエネルギー研究拠点をはじめとする共同利用・共同研究のポスター発表(企画型:38 件、提案型:52 件、共同利用:14 件、GCOE 他:4 件)が行われ、ゼロエミッションエネルギーに関する最新の研究成果について活発な議論が行われるとともに、最新情報の共有ができました。
三日目にはパラレルセミナーとして、「Topical Seminar on "Physics, Diagnostics and Analysis of Magnetic Fusion Divertor Plasmas"」、「Discovery of fungal carbohydrate-active enzymes to unlock the deconstruction of lignocellulosic biomass」、および「Symposium on Exploring Broadband Energy Science 2019」が開催され、さらに専門的な議論が行われました。
今回のシンポジウムには、大学院エネルギー科学研究科を訪れていた中国浙江大学の教員と学生約40 名にも参加していただきました。シンポジウムと同時開催として施設見学会を行い、夜にはレセプションパーティーにも参加いただきました。今回記念すべき第10 回の国際シンポジウムを成功裏に終えることが出来ましたのも、共同利用・共同研究推進室、広報室、担当事務室をはじめ、多くのスタッフや学生の皆様のご協力のお陰です。この場を借りて、改めて御礼申し上げます。

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