1視線の観測のみで核融合プラズマ中のヘリウム近赤外輝線の発光分布を推定

Research Topics / 研究トピックス

大学院工学系研究科機械理工学専攻の茶谷智樹 修士課程学生、上野陽平 同修士課程学生(研究当時)、四竈泰一 同准教授、蓮尾昌裕 同教授、エネルギー理工学研究所 門信一郎 准教授らの研究グループは、ストークス偏光分光法と呼ばれる手法を近赤外のヘリウム原子輝線(波長1083 nm)に適用し、1視線のみで視線に沿った発光分布を求める方法を開発しました。従来、可視輝線での計測が行われていましたが、近赤外輝線を利用することで、空間分解能が向上し、また、磁場が弱い装置でも計測を行うことが可能となりました。

 本研究成果は、2022年9月23日(現地時刻)に英国の国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。

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研究者からのコメント

「視線が1本しかない状況で、奥行き方向の情報をどう抽出するか?」これは、観測・物理計測の普遍的な課題です。核融合プラズマの計測においても然り。 本研究では、核融合プラズマの磁力線の向きの空間分布に、量子力学や量子化学で学ぶゼーマン効果や、中学高校の理科でも学ぶ偏光の性質を照合し、 かつそれを実現できる分光装置を開発することでたどり着けました。他装置での経験や困難の蓄積、活発な研究連携、学生さんらのパワーによって、「未知」から「既知」に、「ボンヤリ」から「ハッキリ」へとを知見を深めていく、その醍醐味も感じることができた成果です。(門信一郎)

詳しい研究内容について

研究者情報

エネルギー理工学研究所

京都大学工学研究科

関連リンク

エネルギー理工学研究所
エネルギー生成研究部門 複合系プラズマ研究分野
エネルギー生成研究部門 プラズマエネルギー研究分野

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