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平成28年7月19日「技術講習会:各種顕微鏡の測定原理と応用」開催のお知らせ

ゼロエミッションエネルギー研究拠点技術講習会の開催について

 共同利用・共同研究拠点「ゼロエミッションエネルギー研究拠点」では、
その活動の一環として、「技術講習会」を開催いたします。
ご興味がおありの方は、ぜひご参加下さい。なお事前申し込み等は不要です。
直接会場にお越し下さい。

技術講習会:各種顕微鏡の測定原理と応用

講師:金沢大学 理工研究域 数物科学系/バイオAFM先端研究センター
内橋貴之教授 (平成28年度エネルギー理工学研究所客員教授)
日時:平成28年7月19日(火)10:00より
場所:京都大学・宇治キャンパス・本館N273E室

スケジュール:
10:00-11:30 技術講習1 一分子計測概論
11:30-12:30 昼食
12:30-14:00 技術講習2 汎用一分子計測法(光学顕微鏡、電子顕微鏡)
14:00-14:15 休憩
14:15-15:45 技術講習3 走査型プローブ顕微鏡(STM,AFM):原理と応用

 なお技術講習会に引き続き、「エネルギー理工学研究所講演会」も開催されます。
こちらに関しましても、皆様のご参加をお待ちしております。

エネルギー理工学研究所講演会:高速原子間力顕微鏡(HS-AFM)で捉える生体分子の機能動態

講師:金沢大学 理工研究域 数物科学系/バイオAFM先端研究センター
内橋貴之教授 (平成28年度エネルギー理工学研究所客員教授)
日時:平成28年7月19日(火)16:00-17:00
場所:京都大学・宇治キャンパス・本館N273E室

要旨:タンパク質は時間とともに形態・構造を変えながら、独自の機能を個々の
分子あるいは複合体レベルで発揮している。例えば、基質との結合やそれに続く
基質の分解は、最初局所の構造変化を誘起し、それがその後の時間発展するタン
パク質全体にわたる変化をドライブし、機能を生み出す。すなわち、「構造」と
「機能」は密接に関係している。それゆえ、タンパク質が機能する仕組みを理解
するには、どのような形態・構造の変化が個々のタンパク質分子に起こっている
かを知ることは極めて重要であり、様々な技術(結晶構造解析, 電子顕微
鏡,NMR,蛍光エネルギー移動,蛍光偏光など)を駆使してその姿を捉えようとす
る研究が行われている。しかし、時間とともに変化するタンパク質の姿を直接捉
えることは困難であり、得られる情報は限られていた。
 原子間力顕微鏡(AFM)は溶液環境下でも試料の表面構造をナノメータースケー
ルで可視化できることから、生理条件に近い環境で生体分子の構造解析が可能で
あるが、撮像速度が1min/frame程度と極めて遅いため、生体分子への応用には限
界があった。我々のグループでは、AFMの撮影速度を向上するための様々な要素
技術を開発し、100ms/frame程度までイメージング速度を改良した。その結果、
高速AFMで個々のタンパク質分子がドラマティックに動く様子を映像として捉え
ることに世界で初めて成功した。本講演では、AFMの高速化を実現した要素技術
を概説するとともに、高速イメージングに成功したタンパク質試料系をいくつか
紹介したい。