【開催報告】ワークショップ「ステラレータ−ヘリオトロンにおける 磁場配位最適化」
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ワークショップ「ステラレータ- ヘリオトロンにおける磁場配位最適化」"Workshop on Configuration Optimization in Stellarator/Heliotron"を2018 年12 月7-8 日の二日間、エネルギー理工学研究所附属エネルギー複合機構研究センター北4 号棟にて開催しました。今回の会議に参加した研究者・学生は、海外から米国・ウィスコンシン大学マディソン校、米国・プリンストン・プラズマ物理研究所、オランダ・アイントホーフェン工科大学、中国・浙江大学、日本からは、核融合科学研究所、本学の工学研究科、エネルギー科学研究科、そして、本研究所の方々でした。
ヘリカル系磁場閉じ込め核融合プラズマ研究は、2015 年12 月にドイツ・マックスプランク研究所の大型超電導ヘリカル装置W7-X がプラズマ実験を開始、また、核融合科学研究所が2017 年3 月に重水素実験を開始しイオン温度10keV を達成するなど、新たな局面を迎えています。一方、中国では、西南交通大学において核融合科学研究所との共同プロジェクトとして新しいステラレータ装置CFQS を建設中です。米国では、最適化磁場配位に基づく新たな中型ステラレータ装置構想をスタートさせており、日本においても核融合科学研究所において次期創成配位の検討が正式にスタートしています。本ワークショップでは、こうした活発化したヘリカル系磁場最適化研究の世界的な動向を見据えつつ、新たな磁場配位の最適化概念や研究の進捗状況を把握し,今後のヘリカル系装置開発の進展のために情報共有することを目的としました。
ワークショップでは10 の講演に絞り、議論に十分な時間をとりました。まず、仲田資季(核融合研)氏から"Next Generation Stellarator Creation Research Activity: toward the advanced helical plasma utilizing 3-D magnetic field"の題目で講演があり、核融合科学研究所における次世代磁場配位の検討状況について報告がありました。J. Proll 氏(アイントホーフェン工科大学)からは"Stellarator optimisation - first results and a long way to go"の題目で乱流抑制に視点を置いた理論解析の最新の解析結果に関する報告がありました。また、清水明博氏(核融合科学研究所)、C. Zhu 氏(プリンストン・プラズマ物理研究所)からCFQS 建設の進展状況・コイル解析、A. Bader 氏(ウィスコンシン大学マディソン校)から準ヘリカル対称性の最新の研究成果の報告があるとともに、筆者からは磁場配位制御に関連したHeliotron J の実験結果についての紹介をしました。これまでの最適化研究では、新古典輸送・MHD 安定性に主な視点が置かれていましたが、近年の研究では、乱流抑制や高エネルギー粒子閉じ込め、また、有効なダイバータ構造の追求が行われています。今後の最適化研究において、これらの研究課題が重要な視点になることが予想されます。
本ワークショップでは先進ヘリカル磁場配位の最適化の方向性について議論することができ、今後の共同研究の観点からも大変有意義な会議であったと思います。本ワークショップを開催するにあたっては、研究所の教職員の方々にご支援・ご協力いただきました。また、本研究所エネルギー複合機構研究センター国際・産官学連携支援推進事業に支援いただきました。ここに感謝の意を表します。