エネルギー構造生命科学研究分野
- エネルギー利用過程研究部門 エネルギー構造生命科学研究分野
- 教授:片平 正人、准教授:永田 崇、助教:山置 佑大
木質バイオマスの有効活用法の開発と病気に関連した生命現象の理解に関する研究を、構造生物学に立脚して行っています。
構造生物学に立脚した木質バイオマスの有効活用法の開発と病気に関連した生命現象の理解
生物あるいは酵素の力を用いる事で、木質バイオマスからバイオエネルギーと高付加価値物質を、効率的かつ有害物質を排出する事なく獲得する方法の開発を行っています。最終的には石油リファイナリーからバイオリファイナリーへのパラダイムシフトを見据えています。また、病気に関連した核酸やタンパク質をヒト細胞に導入し、この細胞を生きたまま核磁気共鳴装置(NMR)に入れてスペクトル(インセルNMR スペクトル)を取得する事で、病気に関連した生命現象を理解し、創薬に向けた基盤を獲得する研究も行っています。いずれの研究においても、分子・原子レベルの分解能での解析を行っています。
NMR 法を用いて生物に学ぶバイオリファイナリー
担子菌が木質バイオマスを生分解するメカニズムをNMR 法によってナノレベルで解明し、木質バイオマスからエネルギーと化成品を取得する
手法を確立する。
植物細胞壁中のリグニン-多糖間結合を初めて解明
我々は、リグニン-多糖間にベンジルエーテル結合が形成されていることの直接的な証拠を他核多次元NMR 法により得た。
ヒトAPOBEC3B の一本鎖DNA 特異的シチジン脱アミノ化反応をリアルタイムNMR により追跡
我々は、A3B が一本鎖DNA 上を短い距離移動すると解離するという性質を見出した。この性質のため、A3B は短い一本鎖DNA 上、より中心に近いシトシンほど効率よく見つけ出すことができる。
ヒト細胞内に導入したDNA/RNA のin-cell NMR によるシグナル観測
我々は、試験管内でヘアピン構造を形成するDNA 及びRNA をヒト細胞に導入し、in-cell NMR によりシグナルを観測することに成功した。そして、これらの核酸がヒト細胞内においてもヘアピン構造を形成することを見出した。