磁場強度によらないプラズマ着火方法の開発により高性能プラズマ運転領域の拡大に成功
Research Topics / 研究トピックス
2020年5月7日付け、S. Kobayashi, K. Nagasaki, T. Stange, T. Mizuuchi, H. Okada, T. Minami, S. Kado, S. Yamamoto, S. Ohshima, K. Hada, G. Weir, S. Konoshima, Y. Naamura, N. Kenmochi, Y. Otani, X.X. Lu, A. Panith, K. Toki, Y. Suzukiらの研究 「Study of seed plasma generation for NBI plasma start-up using non-resonant microwave launch in Heliotron J」 が論文誌 Plasma Physics and Controlled Fusion に掲載されました。
DOI: 10.1088/1361-6587/ab877e
エネルギー生成研究部門 プラズマエネルギー研究分野
エネルギー生成研究部門 複合系プラズマ研究分野
附属エネルギー複合機構研究センター 高温プラズマ機器学研究分野
外部コイルのみで閉じ込め磁場配位を形成するヘリカル型装置においては、通常、電子サイクロトロン波加熱もしくは負イオン源を利用した高エネルギー中性粒子ビーム入射加熱によりプラズマを着火しますが、これらの方法は磁場強度や加熱パワーに制限がありました。本研究では京都大学のプラズマ実験装置ヘリオトロンJにおいて、低パワーの非共鳴マイクロ波を予備電離に利用することで、より広い磁場強度・加熱パワーの範囲でのプラズマ生成に成功し、高性能プラズマ運転領域を大きく拡げました。予備電離プラズマが生成される機構として、(1)非共鳴マイクロ波の確率的静電加速によって電子を加速、(2)加速された電子はドリフトの効果で磁気軸中心まで到達、(3)電子はガスやプラズマと衝突することで予備電離プラズマを生成、する事が想定されます。本論文は、マックスプランクプラズマ物理研究所(ドイツ)、核融合科学研究所(日本)との国際共著論文です。