広帯域エネルギー理工学開拓研究分野

附属エネルギー複合機構研究センター 広帯域エネルギー理工学開拓研究分野
助教:篠北 啓介 教授(兼):松田 一成 
広帯域の光エネルギーの活用を目指し、広い周波数帯での先端的な分光手法やデバイス作製技術を用いてナノ物質の新規な光学現象のメカニズムの解明や制御に取り組んでいます。

広帯域光エネルギー活用に向けた光科学の開拓

 豊富な太陽光エネルギーを効率よく利用するには、目に見える可視光領域の光だけではなく、赤外領域に広がる熱放射をはじめとする広帯域の光エネルギーを余すことなく活用することが重要課題の一つとなっています。我々は、紫外領域から可視光領域、赤外領域、テラヘルツ領域までの広い周波数帯の光エネルギーを利用することを目指して、多彩なナノ物質の新規な光機能に注目して研究を進めています。広い周波数帯での先端的な分光手法やデバイス作製技術を用いて、様々なナノ物質の新規な光学現象のメカニズムの解明や制御に取り組んでいます。

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原子層物質における新しい光学現象

 わずか原子数層からなる極めて薄い二次元半導体中に励起された電子とその抜け穴である正孔は、互いに強く束縛した励起子という状態を形成するとともに、波数空間上で「バレー」という新しい量子自由度を持っています。電子や励起子が持つバレーの量子自由度を自在に操作できれば、バレー情報をデジタル情報処理の0と1に対応させて利用することができ、従来の電荷を使ったエレクトロニクスに代わる高速かつ省エネルギーな光電子デバイスが期待できます。我々は、広い周波数帯での先端的な分光手法やデバイス作製技術を用いて、励起子のバレー状態を使った新しい光科学の研究に取り組んでいます。

バレー緩和現象の解明と制御

単層二セレン化タングステン(WSe2)において、電界効果トランジスタ構造を用いたバレー緩和現象の制御。

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