国際交流
概要
海外の多くの研究機関と研究交流協定を締結し、研究交流や国際シンポジウムの開催など、活発な研究交流を進めています。
日アセアン交流
エネルギー理工学研究所では、21世紀COE「環境調和型エネルギーの研究教育拠点形成」で行ってきた日タイ交流を軸に、2006年以来、アジア地域でより一層の協調と連携を図るための国際的な研究者ネットワークであるSEE Forum(Sustainable Energy and EnvironmentForum)活動を推進しています。2018年度は6月にGrand Renewable Energy 2018にて特別セッションを企画するとともに、11月にSEE conference をタイ王国にて開催を予定しており、アジア地区の大学・研究機関と活発な交流を行っています。さらにタイ王国Rajamangala University of Technology Thanyaburi 校とは2001年からほぼ毎年Eco-Energy and Materials Science and Engineering Symposium(EMSES)を共同で開催し、2018年4月には宇治キャンパスにて香川高等専門学校との共催で第14回EMSES2018 国際会議を開催します。 このような取り組みが評価され、SEE Forum を活用した研究協力および人材育成協力に関する要請は、カウンターパートであるアジアの大学・研究機関をはじめ、我が国政府およびUNESCO からも頂き、2009年度よりNESCO-COMPETENCE プログラムに参画するとともに、さらには2011年度よりODA-UNESCO 支援事業としてベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーでのエネルギー科学教育事業を展開し、2017年には水・エネルギー・防災に関するユネスコチェアの認定をユネスコ本部より頂きました。また、ASEAN University Network(AUN)と京都大学の間の一般学術協定に基づき、学生や研究者の人材交流や国際共同研究等のプロジェクトを進め、2012年度大学の世界展開力事業に採択の「人間の安全保障」開発を目指した日アセアン双方向人材育成プログラムの構築(責任者:縄田栄治 農学研究科教授)へ発展し、教育活動への寄与やシンガポール国立大学との間でのスーパージョン万次郎プログラム、および頭脳循環プログラムによる若手研究者招聘・派遣を行ってきています。 2015年度にはJST の戦略的国際共同研究プログラムに東南アジア地域研究研究所を中心に提案した「日アセアン科学技術イノベーション共同研究拠点」に採択され、ASEAN との国際共同研究プラットフォーム形成事業を進めています。
二国間交流事業共同研究「極短パルス電子ビームによるCSR および自由電子レーザーに関する研究」
本共同研究事業は、高輝度の電子ビームを用いたコヒーレント放射源の開発を、日本と中国がそれぞれの得意とする分野を持ち寄り行うもので、中国側が主に理論的アプローチを、日本側が実験的アプローチを担当します。 日本側代表の京都大学エネルギー理工学研究所には、中赤外自由電子レーザー(MIR-FEL)装置、KU-FEL が稼働しており、ps 以下のバンチ長の電子ビームを発生して、FEL を発振させ共同利用に提供しています。また、この高度化のために光陰極高周波電子銃(PC-RFgun)の開発を、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の加速支援事業において行ってきており、2015年度よりビーム発生実験とこれを用いたTH z帯FEL 増幅器の開発を目標に研究を行っています。一方、東北大学の研究グループでは、独自設計のITC-RFgun と呼ぶ独立2空洞型の熱陰極高周波電子銃を開発し、加速管中での速度圧縮法を用いた短バンチ電子ビームの発生を行っており、アンジュレータからのTHz 域のコヒーレントな超放射(Superradiant)生成を試みています。これら日本側研究グループは中国科学技術大学(中国科技大)のNational Synchrotron Radiation Laboratory(NSRL) および北京大学の研究者と協力して、①短パルス電子ビームの発生を行います。中国側研究者は日本において得られた実験結果の理論解析を行い、短バンチビームの発生のための研究を行います。さらに、日本側ではこれらの極短バンチビームやプリバンチビームをアンジュレータに導き、② THz 領域のコヒーレント放射の発生とその観測を行います。中国側研究者はこのTHz 放射の強度やスペクトルに関する理論的研究を行い、これまで明確な表式が得られていないTHz 超放射現象についての正確な記述を行うとともに、シミュレーションコードの開発を行います。また、昨年度よりNSRL にて新たに中赤外FEL装置の導入が開始されており、この装置のコミッショニングやFEL発振にも日本側から協力を行います。
国際協定リスト
締結年月日 | 協力先 | 国名 | 研究分野 |
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2024.02.28 | ヨルダン⼤学 ハムディマンゴ科学研究センター | ヨルダン | エネルギーと環境科学、⽣化学、⽣体関連化学 |
2024.02.09 | タイ原⼦⼒技術研究所 | タイ | 核融合科学 |
2024.01.22 | 浙江大学 カーボンニュートラル研究所 | 中華人民共和国 | エネルギー科学 |
2023.09.25 | アイントホーフェン工科大学 応用物理・科学教育学部 | オランダ | プラズマ物理、核融合科学 |
2022.06.08 | アシュート大学 理学部 | エジプト | エネルギーと環境科学 |
2019.10.30 | 華中科技大学・プラズマ物理国際共同研究所 | 中華人民共和国 | プラズマ物理・核融合科学 |
2019.10.21 | 西南物理研究所・核融合科学センター | 中華人民共和国 | プラズマ物理・核融合科学 |
2019.06.19 | ラオス国立大学 | ラオス人民民主共和国 | エネルギー・環境科学 |
2019.03.22 | 韓国国立核融合研究所 | 大韓民国 | プラズマ物理、核融合工学 |
2019.02.15 | 西南交通大学 | 中華人民共和国 | プラズマ物理、核融合学 |
2019.01.08 | マックスプランク・プラズマ研究所 | ドイツ | プラズマ物理、核融合科学 |
2014.12.03 | 蔚山国立科学技術大学、核融合プラズマ安定性・閉じ込め研究センター | 大韓民国 | (a)核融合科学、プラズマ物理 |
2014.10.06 | 国立ホリアフルベイ物理原子力研究所 | ルーマニア | (a)原子力工学 |
2014.09.18 | ブルネイ・ダルサラーム大学 先端材料とエネルギーのセンター |
ブルネイ・ダルサラーム | (a)再生可能エネルギーと低炭素技術 |
2013.01.23 | 韓国科学技術院 核融合プラズマ輸送研究センター | 大韓民国 | (a)プラズマ物理、核融合科学 |
2012.04.12 | ベトナム国家大学ハノイ校(ナノエネルギーセンター) | ベトナム | (a)ナノテクノロジーとエネルギー技術 |
2010.05.18 | ニューヨーク・シティ大学エネルギー研究所(工学研究科、エネルギー科学研究科と共同締結) | アメリカ | (a)エネルギー関連科学における教育・研究 |
2009.10.19(5年間) | エネルギー環境合同大学院大学(エネルギー科学研究科、工学研究科と共同締結) | タイ | (a)エネルギー・環境分野 |
2006.11.28 | 釜慶大学校工科大学産業科学技術研究所 | 大韓民国 | (a)エネルギー理工学に関する教育科学 |
2006.04.06 | 韓国国立核融合研究センター | 大韓民国 | (a)核融合エネルギーに関連するエネルギー理工学 |
2001.07.24 | エアランゲン・ニュルンベルク工科大学(工学部材料化学科) | ドイツ | (a)先進機能性材料及びエネルギー科学技術 |
2001.05.16 | スペイン国立CIEMAT研究所 | スペイン | (a)先進ヘリカル系プラズマの閉じ込め (b)プラズマ、壁相互作用に関する物理 |
2001.02.05 | ラジャマンガラ工科大学 | タイ | (a)エネルギー・資源の生成・変換・利用技術 (b)先進機能材料の創製 |
2001.01.25 | スロヴァキア工業大学(電子工学・情報工学科) | スロバキア | (a)エネルギー科学、特に材料科学及び材料工学 |
2001.01.09 | シドニー大学物理研究科 | オーストラリア | (a)プラズマ物理及び核融合工学 (b)先進核融合エネルギーシステムにおける先端的プラズマ計測 |
2000.09.10 | 基礎科学支援研究所 | 大韓民国 | (a)材料科学、プラズマ核融合科学、電子顕微鏡学、その他の基礎科学分野 |
2000.07.04 | 東義大学校(工科大学) | 大韓民国 | (a)材料科学及び破壊力学分野 (b)Brain Korea 21関連事業を含む研究学生交流 |
1999.05.07 | 東義大学産学協力センター | 大韓民国 | (a)材料科学、材料力学先進エネルギー材料 |
1998.08.01 | トリノ工科大学 材料科学及び化学工学科 | イタリア | (a)材料科学および化学工学 (b)先進エネルギー材料 |
1998.05.11 | ウクライナ国立ハルキウ研究所 | ウクライナ | (a)先進ヘリカル系プラズマの閉じ込め (b)先進プラズマ・壁プロセス技術 |
1998.02.06 | ウィスコンシン大学マディソン校ステラレータ・トルサトロン研究センター | アメリカ | (a)先進ヘリカル系プラズマの閉じ込め (b)先進プラズマ・壁プロセス技術 |
1997.08.10 | オーストラリア国立大学 | オーストラリア | (a)先進ヘリカル系プラズマの閉じ込め (b)先進プラズマ・壁プロセス技術 |
1996.12.12 | 南オーストラリア フリンダース大学物理学科 | オーストラリア | (a)回転磁界による電流駆動の物理と工学 (b)ロトマックにおける応用 |
1996.11.20 | スタンフォード大学ハンセン実験物理研究所自由電子レーザーセンター | アメリカ | (a)自由電子レーザー (b)先進ビーム物理並びにビーム技術 |
1996.11.19 | カリフォルニア大学ローレンスバークレー国立研究所ビーム物理学研究センター | アメリカ | (a)荷電粒子 (b)光量子ビームの生成・制御 |
1996.06.04 | 核工業原子能研究院 | 中華人民共和国 | (a)プラズマ科学及び核融合工学 (b)先進エネルギー材料 (c)加速器物理工学 |
1996.06.03 | 科学アカデミー高エネルギー物理研究所 | 中華人民共和国 | (a)自由電子レーザー (b)先進高周波技術 |
1995.09.29 | ウィスコンシン大学核融合技術研究所 | アメリカ | (a)プラズマ物理及び核融合工学技術 (b)先進核融合エネルギーシステムにおける直接エネルギー変換 |