【実施報告】宇治市教育委員会と京都大学宇治キャンパスとの連携による理科教室(平成30年8月2日)

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平成30年8月2日(木)、宇治市立中学校のうち理科(科学)部のある4校(黄檗中学校、木幡中学校、
東宇治中学校、広野中学校)に所属する生徒20名(各校から5名)に理科教室を開催しました。

事前の教育委員会担当者との打ち合わせでは、実際の大学での研究に近いテーマを題材に
取り上げてほしい、ということだったので、「レーザーを使ってナノ材料を作ろう」という
テーマのもと、金属膜のナノ構造化とポリマー膜内に金属ナノ粒子をその場生成する、という
二つの実験をやってもらうことにしました。はじめに、レーザー装置についてはどのくらいの
光量の光が出るのかを見て(感じて)もらい、さらにそれを固体に集光照射するとレーザー誘起
プラズマが発生する様子も観察してもらいました。レーザーの光は、直視はもちろんのこと、
たとえ散乱光であっても目に入ると大変危険なので、この位置から防護メガネをかけて見るようにと
強く注意喚起し、ケガや事故の防止に努めました。思いの外の眩しさに、生徒の皆さんも付き添いの
先生方も驚いておられました。その後、実験室から隣の会場に戻り、金属膜にレーザー照射をすると
ナノ構造化が起こる理由と、ポリマー膜内で金属ナノ粒子がその場生成する理由、およびその
プラズモンの色が目視できる理由を生徒と一緒に考えつつ、できるだけ平易な表現で説明しました。
理科教室でレーザーを扱った実験をする場合の大きな問題は、レーザー装置が簡単に動かせないことと、
生徒一人ひとりが一台のレーザーを順番に使うしか方法がないこと、の二点です。自分の目の前で
材料が変化する様子を見てほしかったので、20名全員にレーザー照射をやってもらい、作製した
試料は記念に持って帰ってもらいました。また、今日の実験にちなんだ班対抗の
理科クイズ(大学院生作)も楽しんでもらいました。

レーザー照射によって材料が変化する原理については、彼らは忘れてしまうかもしれませんが、
あの理科教室の時の激烈に眩しいレーザー光のことは簡単には忘れないと思います。
このような「滅多にできないちょっとした経験」が彼らの心の片隅に残り、将来、
理工系に進むきっかけになってくれたらと思います。
宇治市教育委員会と京都大学宇治キャンパスとの連携による理科教室は大変面白い企画であり、
また機会があれば協力する所存です。

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