【Q&A】第24回公開講演会

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2019年5月12日(日)に開催した公開講演会には多数のご参加をいただき、ありがとうございました。
当日お配りしたアンケートで各講演への質問を受け付けましたので、このページで回答します。

質問1:核融合発電の実現に向けて、最も大きなハードルになりそうなのはどんなことでしょうか。

回答者:小西哲之教授

回答:技術的には、「核融合発電の実現」に、もうものすごく大きなハードルは残っていません。地道に頑張れば、必ずできます。まだいろいろな課題や困難はありますが、研究を続けさえすれば、解決できないようなものはほとんど残っていません。
問題は、そこまでに必要なお金が用意できるか、それを出すことを政府や社会、あるいは会社などが決断してくれるか、ということだと思います。例えば、「月に人類を送ること」とか、「時速500kmの鉄道を作ること」なども同じで、社会が決断してくれるか、必要だ、やってほしい、という意思決定ができるかで決まります。そういうことで、1960年台にアメリカが決断したので人類は月に行きましたが、今の時代にそれが必要だと決断した国や個人はありません。リニアモーターカーも、技術的には何10年も前から作ればできるはずでしたけど、「作ろう」と決めたのは最近、JR東海という会社が中心で、お金と必要性のめどがついたからです。「核融合発電」も、おそらく数兆円かければあと20年か30年で装置としてはできますが、製品は太陽電池でも作れる「電気」です。より安い、とか、意味がある、ということにならないと本当に「実現」することにはならないかもしれません。ただ「電気をつくる」だけなら、確かに他の技術でもなんとかなるのです。ですが、今まだ電気を見たこともない途上国などの人も含めた、100億の人たちが皆今の日本のように健康で快適な生活ができて、それでいて地球の環境を壊さずに何百年も、人類が平和で豊かに暮らすためにはこのような技術が必要だと私たちは信じて研究を続けています。皆さんのご支援がいただけるかどうか、実現するかどうかは実は普通の市民や普通の学生さんの皆さんにかかっているのです。

質問2:炭にしたバイオマスはカーボンナノチューブなどの炭素材料に利用できますか?

回答者:小西哲之教授

回答:バイオマスを炭化する反応では炭素はできますが、「粗製」の炭素を何トンも作る反応です。一方、カーボンナノチューブ(フラーレン、グラフェンなども皆同じようなものですが、)もとは炭素でありながら、非常に高級な素材をごく少量作ることになります。そういう意味で利用は可能ですが、おそらくカーボンナノチューブに使う原料は、よりその後の工程に使いやすい、高級な材料で始めたほうがおそらく効率的だと思います。

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