中性粒子ビーム入射を用いたプラズマ着火における予備電離の役割を解明し、プラズマ着火の迅速化・低パワー化に成功

Research Topics / 研究トピックス

2021年9月23日付け、S. Kobayashi, K. Nagasaki, K. Hada, T. Stange, H. Okada, T. Minami, S. Kado, S. Ohshima, K. Tokuhara, Y. Nakamura, A. Ishizawa, Y. Suzuki, M. Osakabe, T. Murase, S. Konoshima and T. Mizuuchi らの研究「Role of pre-ionization in NBI plasma start-up of Heliotron J using non-resonant microwave heating」が論文誌Nuclear Fusionに掲載されました。
DOI: 10.1088/1741-4326/ac2105
エネルギー生成研究部門 プラズマエネルギー研究分野
エネルギー生成研究部門 複合系プラズマ研究分野

当研究所のヘリカル型プラズマ閉じ込め装置ヘリオトロンJで、非共鳴マイクロ波を入射することで生成される予備電離プラズマが、中性粒子ビーム入射によるプラズマ着火の低パワー化・迅速化に寄与する事を明らかにしました。本研究では、この物理素過程を実験・シミュレーションの両面より解明しました。具体的に、プラズマ着火には(1)プラズマ加熱源である中性粒子ビーム起因の高速イオンが十分生成されること、(2)高速イオンにより背景電子が加熱されること、(3)加熱された電子が背景ガスの電離を促進し、これが高速イオンのさらなる生成につながること、が重要であり、着火の成否には、これらの過程が正のフィードバックとして働く必要がある事を明らかにしました。本研究で得られたシミュレーション手法は、将来のヘリカル型装置におけるプラズマ着火シナリオを検証する有益なツールとなり得ます。本論文は、マックスプランクプラズマ物理研究所(ドイツ)、核融合科学研究所(日本)との国際共著論文です。

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